- カタフリ 住田
UMASがMEPC80の脱炭素目標に関する白書を発表。気温上昇1.5度への道筋
コンサルタント会社UMASが、IMOが2023年7月に新たに設定した脱炭素目標についての白書を発表しました。GHG targets from a multilateral decision making process come close to science derived targets, new analysis shows – UMAS (u-mas.co.uk)
概要
7月、IMOのMEPC80は、海運業界に対して2050年頃までにネットゼロという新たな目標を採択し、2030年に温室効果ガス排出量を20~30%削減、2040年には70~80%削減することを求めました。
白書は、IMOが2028年の次回見直しで2年後の30%削減と現在のIMO目標より10年早い2040年の排出ゼロを確保することで脱炭素の試みを強化すれば、その軌道はIPCCやSBTiの定める1.5℃に沿ったものになると主張しています。
このわずかな違いを達成するには、海運業界はIMOの目標を上回る取組みを行う必要があると述べています。
特に2030年、2040年時点での目標達成に向けた取り組みが重要であると述べています。
しかし同時に、海運業界における脱炭素以降は決してIMOだけの問題ではなく、各企業における取組の重要性についても主張しています。

IMOの脱炭素目標は1.5度の軌道を大きく外していないがわずかな差異がある。
出展:リンク
*「1.5度上昇」は温暖化の影響が人類に深刻な影響を与えるかどうかの「境界」とされ、パリ協定での努力目標になっている。(参考:気候変動に関する政府間パネル(Intergovernmental Panel on Climate Change: IPCC))
所感
今後、IMOにおいてパリ協定の目標達成に向けた動きが強まれば、MEPC80で設定された目標が更に強化される可能性もあるかもしれません。国連や、その他の環境段階の動向にも注意を向けたいと思います。