- カタフリ 住田
修繕ドック不足が海運業界の脱炭素化に影を落とす:レトロフィットの現実的な課題とは?
Lloyd's Registerから「ENGINE RETROFIT REPORT 2023: Applying alternative fuels to existing ships」というレポートが発表されました。このレポートは、船舶の代替燃料対応に関する包括的なガイドであり、多くの側面からこの問題を詳細に分析しています。最新の研究に基づき、海運業界の脱炭素化におけるレトロフィット(既存船への改修)の課題と可能性について述べられています。

ポイント:
レポートによれば、2050年までに最大2万隻の船が化石燃料を使用し続ける可能性がある。
修繕ドック不足と経験不足が、代替燃料技術の導入を妨げている。タンク、燃料調整、配管、安全対策など、システム統合には多くの課題がある。
レトロフィットが効果的に行われれば、代替燃料への移行が急速に進むとされている。
代替燃料(メタノールやアンモニア)の使用は燃料費を倍増させる可能性がある。
低コストシナリオでは、代替燃料の価格が下がり、炭素価格が上がることで、代替燃料が有利になる。
乗組員の作業環境、訓練、健康に対する影響が考慮されるべき。
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代替燃料への既存船舶改造は多面的な課題を持っています。乗組員の安全と効率、修理施設の能力とスキル、これらが全て揃わなければ、持続可能な脱炭素化は達成できません。